現代社会の必須能力 “生きる力” “ライフスキル” を磨くには?

生きる力とライフスキル  
さまざまな価値観が大きく変わり、次々と新しいモノゴトが現れる今の時代。10年後20年後はどうなっているのか、誰にも予測できません。そんな不確かな未来を生きていくため、2008年、日本の文部科学省は小中学校の学習指導要領を改定し、これまでにない新たな理念を掲げました。それが「生きる力」です。

「生きる力」とは、ひとりの人間としての資質や能力のことであり、知・徳・体のバランスのとれた力の総称です。変化の激しい現代社会を生き抜き、自分の道を切り拓いていくために不可欠な力として、「生きる力」は重要な教育課題と位置づけられました。さらに2020年には、「生きる力」を学校だけでなく家庭を含めた社会全体で育むものと位置づけ、国を挙げて「生きる力」を推進していくことになりました。

この流れの背景には、1990年代に世界で注目を集めた「ライフスキル」の存在があります。ユニセフ、ユネスコ、世界銀行、国連開発計画の共催によって1990年に行われた国際会議「万人のための世界教育会議(World Conference on Education for All)」では、これから世界規模で進めて行かなければならない施策としてライフスキル教育の重要性を強調しました。すべての人々が幸福な社会生活を送ることができるようになるための教育、ライフスキル教育です。

WHO(世界保健機構)はライフスキルを「日常生活で生じる様々な問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」と定義し、10項目「意志決定・問題解決・創造的思考・批判的思考・効果的コミュニケーション・対人関係スキル・自己意識・共感性・情動への対処・ストレスへの対処」を重要な能力として挙げました。

ライフスキルとアクティング

予測の出来ないこれからの時代を生きていくための力「ライフスキル」は、もはや世界全体の共通認識となりました。各国がライフスキル向上のために様々な施策を行っています。その中でも注目されるのが、アクティング(身体表現)、つまり演技・演劇です。

精神医学や心理療法の分野でもロールプレイ(役割演技)が行われるように、自分ではない「誰か」を演じるということは、その人に多くの効果をもたらします。与えられた役柄になりきるためには、まず役柄のことを理解しなければなりません。その役柄はどんな性格で、どんなふうに物事を考え、どのように行動するのか。周囲に何をしてほしいと求め、何をされたくないと心の中で思っているのか。どうしたら他の人たちに自分の感情を伝えられ、自分という人間を理解してもらえるのか。このように「演じる」という行為の中には、社会で生きていくために必要なことがすべてあると言えるでしょう。

より豊かな生活、自己実現のためのアクティング

アメリカ屈指の歴史を誇る名門校ウィリアム・アンド・メアリー大学のルイス・E・カトロン博士は、1960年代から演劇を用いたライフスキル向上カリキュラムを行い、人材教育の分野で数多くの功績を残しました。博士によると、演劇をすることによって20以上ものライフスキルを磨くことが出来るといいます。会話のコミュニケーション能力、創造的な問題解決能力、モチベーションを高める能力、様々なことにコミットメントする能力、チームで仕事をする能力、独立して働く能力、時間配分能力、リーダーシップ、良好なセルフイメージを作る能力、プレッシャーに打ち勝つ能力などなど、どれも現代社会において重要な能力ばかりであることがわかるでしょう。
オリオンズベルトグローバルのレッスンでも、何かを「演じる」という行為アクティング(身体表現)は、すべての人に必要なライフスキルを向上させるものと位置づけています。ただ何かを「伝える」だけでなく、他者に共感してもらい、多くの人々の心も体も動かすことによって、様々なリターンが自分自身に還って来る。まさにアクティングとは、より豊かに生きるために欠かせないライフスキルの集大成と言えます。オリオンズベルトグローバルが独自に開発したメソッドで、ぜひ学んでみてはいかがでしょうか。

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