子育てもビジネスも
コミュニケーション教育が大切

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有限会社オリオンズベルトグローバル 代表取締役
小林音子 (こばやしおとこ)

2022年8月よりダイヤモンド社のダイヤモンドオンラインの連載スタート。2024年3月ソフトバンク出版より「アメリカの中高生が学ぶ話し方の授業」を発売。オリオンズベルトグローバルのCEOとしてマネージメント事業・キャリア開発事業・PR事業・コミュニケーション&アクティングアカデミーの校長を兼務。コミュニケーションコーチとして「自己理解」を深めながら「自分を伝える技術」を磨くメソッドを独自に確立。俳優・タレント・講師業・TEDスピーカー・教師・受験生や就職活動生にコミュニケーショントレーニングを行う。

日本の教育では学べない「表現力」の授業   小林音子

家庭で育む、未来を拓くコミュニケーションスキル

ダイヤモンド社が運営するビジネスパーソン向け情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」は、業界の深掘り記事や経営・経済情報、スキルアップコンテンツを通じて、ビジネスリーダーの意思決定と課題解決を支援しています。

近年、ビジネスパーソンの間で子どもの教育への関心が高まっています。これは単に「良い学校へ入れたい」という希望に留まらず、変化の激しい現代社会を生き抜くために必要な能力とは何か、それをどう育むべきかという、より本質的な問いかけへと繋がっていると感じています。不確実性が高まる現代(VUCA時代)において、ビジネスで成功し続けるには、知識やスキルだけでなく「コミュニケーション能力」が不可欠です。多くのリーダー層は、その重要な土台が幼少期の家庭におけるコミュニケーション教育にあると認識しています。
家庭でのコミュニケーションは、子どもの自己肯定感や自己表現能力を育みます。親が子どもの話に耳を傾け、感情を受け止め、自分の考えを適切に伝えることで、子どもは安心して自分を表現できるようになります。この安心感が、学校や社会での良好な人間関係構築、協調性、そして将来のリーダーシップの素地となるのです。

そして、この家庭教育の土台で培われたコミュニケーション能力は、ビジネスのあらゆる場面でその真価を発揮します。チーム内の円滑な連携、顧客との信頼関係構築、効果的なプレゼンテーション、複雑な交渉の成功など、ビジネスにおけるほとんどの課題は、優れたコミュニケーションによって解決の糸口が見つかるでしょう。

親子の関わり方で伸ばすコミュニケーションスキル

本連載では、ビジネスと教育、そして両領域を横断する「コミュニケーション」というテーマに焦点を当て、家庭で子どものコミュニケーションスキルを伸ばす具体的なコツを提唱しています。

子育てを通じて培われるコミュニケーションの力が、いかにビジネスの現場で活かされ、個人の成長と組織の発展に貢献するか。一見異なる分野に見えるビジネスと教育ですが、その根底には「人」を育み、成長させるという共通のテーマがあります。そして、その鍵を握るのが、他者と自分自身を理解し、適切に関わるためのコミュニケーションの力なのです。

子育ての段階で社会での活躍やキャリアを見据えてコミュニケーションの土台を築き、やがてビジネスにおける成功へと繋げることは現代社会において極めて重要な要素となります。しかし、その本質は、我が子が「豊かな人生を生きる」というゴールを見据えて教育を見直すことにあると私は考えています。

 

この連載が、読者の皆様に新たな気づきと価値を提供し、ビジネスと家庭における「人財育成」のヒントとなることを願っています。

日本の教育では学べない「表現力」の授業   小林音子